衣服に付着する植物の種類

野原など歩いているといつの間にか植物の種が衣服に付着していることがあります。衣服に付着する植物、通称「ひっつき虫」や「くっつき虫」は、種子や果実が人や動物にくっついて遠くへ運ばれることで繁殖する植物です。日本には約50種類ほど存在します、以下に代表的なものを三つ紹介しました。

オナモミ

 衣服にくっつく「ひっつき虫」として有名な一年草で、キク科オナモミ属に属します。以下に詳しくご紹介します。

オナモミ基本情報

             分類:キク科オナモミ属の一年草

             原産地:アジア大陸(日本には古代に帰化)

             和名の由来:「メナモミ(雌)」に対して「オナモミ(雄)」と呼ばれた説があります

オナモミ形態と生育環境

              草丈:20cm〜2mほど

             葉:大きくてざらつき、3裂する卵状三角形

             花期:8〜10月、雌雄同株で雄花と雌花が別の位置に咲く

             果実(果苞):楕円形で多数のかぎ状のトゲを持ち、熟すと灰褐色に変化

種子散布の仕組み

              果実のトゲは釣り針のような形状で、動物の毛や人の衣服に絡みついて遠くへ運ばれます。

              この「付着散布型」は、種子が広範囲に分布するための戦略です

薬用・利用

              種子(蒼耳子):漢方薬として利用され、動脈硬化予防や風邪・頭痛に効果があるとされます

             脂肪油:リノール酸を多く含み、ベニバナに次ぐ含有量

             葉:タンニンを含み、消炎・止血・浴湯料としても利用

現在の状況

              日本では外来種の「オオオナモミ」に置き換わりつつあり、在来種のオナモミは絶滅危惧種に指定されています(環境省レッドリスト)

豆知識

              オナモミの果実構造は、マジックテープ(ベルクロ)の発明のヒントになったとされています。果実のトゲは、種子を動物に食べられないよう守る役割もあると考えられています

コセンダングサ

コセンダングサ(小栴檀草)は、衣服にくっつく「ひっつき虫」として知られる一年草で、キク科センダングサ属に属します。以下に詳しくご紹介します。

コセンダングサ基本情報

             分類:キク科センダングサ属の一年草

             原産地:熱帯アメリカ(日本には外来種として定着)

             生育場所:道端、空き地、畑地などの陽当たりの良い場所

              花期:夏〜秋(8〜11月頃)

コセンダングサ形態的特徴

             草丈:30cm〜1m程度

             :羽状複葉で、先端が丸みを帯びる

            :筒状花のみで、舌状花(花びらのような部分)はなし

             果実(種子):細長く、先端に2〜3本の鋭いトゲがある

コセンダングサ種子散布の仕組み

             果実の先端にあるトゲが衣服や動物の毛に刺さり、遠くへ運ばれる「付着散布型」

             特に秋〜冬にかけて、ズボンや靴下にびっしり付着することが多く、子どもたちの遊びにも使われることがあります

注意点と豆知識

             外来種であるため、農地や在来植物への影響が懸念されることもあります

             冬の初めに茎の水分が凍り、皮を突き破って「霜柱」のような氷が出る現象が見られることもあります

ヌスビトハギ 

ヌスビトハギ(盗人萩)は、衣服にくっつく「ひっつき虫」として知られるマメ科の多年草です。日本の里山や林縁でよく見られ、秋の散歩でズボンにくっついてくる小さな種子の正体です。

ヌスビトハギ基本情報

             分類:マメ科ヌスビトハギ属の多年草

             分布:日本全国(北海道〜沖縄)、中国、朝鮮半島、台湾

             生育環境:林縁、草地、道端などの半日陰〜日向

             花期:7〜9月

ヌスビトハギ形態的特徴

草丈:60〜100cmほど(半分以上が花穂)

             葉:三出複葉(3枚の小葉)、互生、細かい毛があり卵形

             花:ピンク色の蝶形花が総状花序にまばらにつく

             果実(節果):2節に分かれた半円形で、表面にかぎ状の毛が密生

ヌスビトハギ種子散布の仕組み

             果実の表面にあるかぎ状の毛が、衣服や動物の毛に絡みつく「面ファスナー式」

             果実は節ごとに分かれ、熟すとバラバラになって散布される

散布体は「果実」であり、種子そのものではない点がポイントです

名前の由来

             「盗人萩」という名は、果実の形が泥棒の足跡に似ているという説と

              気づかないうちに衣服にくっつく性質から名付けられたという説があります

花言葉 略奪愛

名前の「盗人」に由来し、他者にくっついて種を運ばせる性質からこの花言葉がつけられました

豆知識

          ヌスビトハギの果実構造は、マジックテープのような仕組みで、強力にくっつきます

          近縁種には「マルバヌスビトハギ」「ヤブハギ」「オオバヌスビトハギ」などがあり、見分けが難しいこともあります

              これらの植物は「動物散布」と呼ばれる繁殖戦略を持ち、動物や人間の衣服・毛にくっついて種子を遠くへ運びます。

              ゴボウの実の構造が「マジックテープ(ベルクロ)」の発明のヒントになったことでも知られています。

草むらや公園を歩くときは、特に秋から初冬にかけて注意が必要です。もし興味があれば、何故?服に付着するのか?植物の構造を観察してみるのも楽しいものです。しかし私有地やお庭などに発生した場合はお手入れに手間がかかることがあります。そのような時はダスキンの草刈りのサービスをお勧め致します。

ダスキンの草刈りサービス

 伸びきった雑草の処理は重労働です。ダスキンでは刈り払い機(カルマー)を使い草を刈るサービスがあります。草の根元より生長した草を刈り払い機を使用して刈ります。一時的に庭の美観は良くなりますが、根が残っているため、季節により数日~数週間で再度発生します。そのため定期的な除草が必要となります

対象面積標準料金
20m²まで16,500円(税抜15,000円)〜/1回あたり
追加1m²あたり275円(税抜250円)〜
  • ※雑草の種類や草丈、生育状況などにより料金が異なりますので事前にお見積りいたします。
  • ※草丈が60cm以上の場合は別途お見積りいたします。

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