野や庭でよく見られるどくだみはどのような植物ですか?

どくだみは、日本や東アジアに広く分布する多年草の薬草で、独特の強いにおいとハート型の葉が特徴です。湿った半日陰の場所を好み、初夏(5月〜8月)に白い花のように見える苞(ほう)をつけますが、実際の花はその中心にある小さな黄色い部分です。

どくだみの名前の由来

名前の由来には諸説あり、「毒を矯める(抑える)」という意味の「毒矯め(どくだめ)」が転じたとも、「毒を溜める」から来たとも言われていますが、実際には無毒で、むしろ「十薬(じゅうやく)」という別名があるほど、古くから民間薬として重宝されてきました3。

どくだみの効能

主な効能としては、利尿・便通促進・殺菌・解毒などがあり、乾燥させて「どくだみ茶」として飲まれるほか、生葉を外用薬として使うこともあります。また、ベトナムなどでは香草として食用にもされており、天ぷらやサラダに使われることもあるんですよ。

どくだみの種類

ちなみに、園芸品種には葉に斑が入った「フイリドクダミ」や、花が八重咲きになる「ヤエドクダミ」などもあり、観賞用としても人気があります。

どくだみが増える理由

どくだみの繫殖波力は強く、気づくとあっという間に庭を埋め尽くしていることがありますどくだみはどのようにふえるのでしょうか?

地下茎で広がる  地表に見える部分はほんの一部で、実は地下に長く伸びる茎(地下茎)を張り巡らせて、そこから新しい芽を出します。根が1本でも残っていれば再生可能です。

切れ端からでも再生  土を耕したり草刈りをしたときに、地下茎が細かくちぎれると、そのちぎれた破片からも新しい株が生えてくるという恐ろしい再生力を持っています。

日陰・やせた土地でもOK  他の植物が育ちにくいような場所でも元気に育つため、気づかないうちに広がってしまいます。

種子よりも根で増える  花は咲きますが、種子での繁殖よりも根っこによる増殖がメイン。だから「抜いたのにまた出てきた!」という現象が起こるんです。

他の植物を圧倒する強さ  繁殖スピードが速く、他の植物のスペースや栄養を奪ってしまうため、気づけばどくだみだけが残ることも。

増えすぎてしまった時の処理方法

どくだみ駆除の主な6つの方法

根こそぎ手で抜く(物理的除去)地下茎を含めて丁寧に掘り起こすのが基本。根が残ると再生するので、春先の芽吹き前がベストタイミングです
熱湯をかける地上部を枯らすには有効ですが、地下茎までは届きにくいため、繰り返しが必要です。野菜のゆで汁などを再利用するとエコです
塩や重曹を使う塩は脱水作用で植物を枯らしますが、土壌もダメージを受けるため、他の植物がない場所限定。重曹はややマイルドですが、同様に注意が必要です
除草剤を使う液体タイプの除草剤(例:ラウンドアップ)は葉から吸収されて根まで効きます。芝生を守りたい場合は、芝に影響しないタイプを選びましょう。
ミントを植えるミントの繁殖力でどくだみの勢いを抑える方法。ただし、ミントの根も繫殖力が強いので、植える場所は選んでください
防草シートを敷く 日光を遮断して地下茎の活動を抑える方法。長期的に効果があり、他の雑草対策にもなります

 どくだみは「ちぎれた根からでも再生する」ほどの生命力を持っているので、一度で完全駆除は難しいですが、上記の方法を組み合わせて根気よく対処すれば、かなり抑えられますよ難しい場合はプロにお任せ下さい。刈り取ったどくだみは身体に良い、どくだみ茶にできるかもしれません。どくだみ茶は、自宅で簡単に作れる昔ながらの薬草茶です。独特の香りはありますが、乾燥させることでまろやかになり、健康効果も期待できます。以下に基本的な作り方をご紹介しますね

どくだみ茶の作り方(自家製)

① 採取

時期:5月〜7月の開花期(白い花が咲く頃)が最適。

場所:農薬の心配がない場所(自宅の庭や山間部など)。

ポイント:根元から刈り取る。根は使わなくてもOK。

② 洗浄

水を何度か替えてしっかり洗う(虫や土を落とす)。

必要に応じて酢を少し加えると殺菌効果も。

③ 乾燥

風通しの良い日陰で4〜5日ほど干す(軒下など)。

束ねて吊るすか、ザルに広げて乾燥。

夜は室内に取り込むとカビ防止に◎。

④ 保存

カラカラに乾いたら、密閉容器に乾燥剤と一緒に保存。

1年ほど保存可能。

⑤ 煎じ方(飲み方)

乾燥どくだみ10〜15gを水500〜700mlで弱火で20分ほど煮出す。

金属鍋は避け、ホーローやガラス鍋が理想。

茶こしでこして完成!

 苦みが強いので飲みやすくするコツ

苦味が気になる場合は、ハトムギ・ビワの葉・はと麦茶などとブレンド。はちみつやレモンを加えると風味がまろやかになります。どくだみ茶はデトックス・便秘改善・アレルギー緩和などに効果があるとされ、昔から「十薬」と呼ばれてきました。 どくだみは肌に良い化粧水も作れます。抜いたどくだみは有効に使いたい

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