トンボの生態と特徴

トンボは、昆虫の仲間であり、成虫は美しい羽と大きな目が特徴的です。また、幼虫は水生昆虫であり、水中での生活が長いため、呼吸に必要な鰓を持っています。日本には約200種類のトンボが生息しており、その中でも特に代表的なトンボをいくつか紹介します。

オニヤンマ

生息地: オニヤンマは日本全国に広く分布しており、特に水辺の近くを好みます。小川や湿地、池の周辺でよく見られます。

食性: 成虫は、ガ、ハエ、アブ、ハチなどの昆虫を捕食します。幼虫は水中でミジンコや小魚などを食べます。

繁殖: 6月下旬から9月上旬にかけて活動し、メスは水辺で産卵します。幼虫は水中で3~5年過ごし、成虫になると2ヶ月ほど生きます。

大きさ: オスは約90~100mm、メスは約95~115mmと、メスの方がやや大きいです。

体色: 黒色の体に黄色の縞模様があり、複眼はエメラルドグリーンで左右が接しています。

飛行能力: 時速70キロで飛行でき、急発進やホバリングも得意です。

視覚能力: 視野は270度に及び、動体視力も非常に優れています。

オニヤンマはその強力な飛行能力と視覚能力で、昆虫界の「最強」とも言われています。

ギンヤンマ

生息地: ギンヤンマは日本全国に広く分布し、特に池や田んぼ、川辺などの水域周辺に生息します。

食性: 成虫は昆虫を捕食し、幼虫(ヤゴ)は水中でミジンコ、アカムシ、ボウフラ、小魚などを食べます。

繁殖: 4月から11月にかけて活動し、メスは水辺の植物に産卵します。幼虫は水中で成長し、13回の脱皮を経て成虫になります。

大きさ: 成虫の体長は約70~80mm、翅の長さは約50mmです。

体色: 頭部と胸部は黄緑色、腹部は黄褐色をしています。オスは腹部の一部が水色で、メスは黄緑色です。

飛行能力: 高速で飛行し、ホバリングも得意です。最高速度は時速60kmに達することもあります。

名前の由来: 腹部の一部が銀白色であることから「ギンヤンマ」と呼ばれています。

ギンヤンマはその美しい色彩と優れた飛行能力で、多くの人々に親しまれています

シオカラトンボ

シオカラトンボ オス

シオカラトンボ メス(ムギワラトンボ)

生息地: シオカラトンボは日本全国に広く分布し、湿地帯や田んぼ、池、公園の池など様々な水辺に生息しています。

食性: 肉食性で、小型の昆虫を捕食します。幼虫(ヤゴ)は水中でミジンコや小魚などを食べます。

繁殖: 成虫は春から秋にかけて活動し、メスは水辺の植物に産卵します。幼虫は水中で成長し、1年に2世代を営むと考えられています。

大きさ: 成虫の体長は約50~55mmで、中型のトンボです。

体色: オスは体全体が灰白色の粉で覆われ、ツートンカラーになります。メスや未成熟のオスは黄色に黒い斑紋があり、「ムギワラトンボ」とも呼ばれます。

飛行能力: 高速で飛行し、ホバリングも得意です。縄張りを持ち、メスの産卵中は上空を飛び回りながら見守ります。

名前の由来: オスの体が塩のような白い粉で覆われていることから「シオカラトンボ」と名付けられました

アキアカネ

生息地: アキアカネは日本全国に広く分布し、特に水辺や湿地、田んぼなどで見られます。夏の間は山地に移動し、秋になると平地に戻ってきます。

食性: 成虫は空中でハエやカ、ウンカなどの小さな昆虫を捕食します。幼虫(ヤゴ)は水中でミジンコや小さな水生昆虫を食べて成長します。

繁殖: 4月から11月にかけて活動し、メスは水辺の植物に産卵します。幼虫は水中で成長し、13回の脱皮を経て成虫になります。

大きさ: 成虫の体長は約40~50mmで、中型のトンボです。

体色: オスは成熟すると体が赤くなり、特に腹部が鮮やかな赤色になります。メスや未成熟のオスは褐色をしています。

飛行能力: 高速で飛行し、ホバリングも得意です。長距離移動を行うことが知られており、夏の間は山地で過ごし、秋になると平地に戻ってきます。

名前の由来: 秋に赤く染まることから「アキアカネ」と呼ばれています

イトトンボ

生息地: イトトンボは日本全国に広く分布し、特に池や川、湿地などの水辺で見られます。水辺の草や植物の間を飛び回ることが多いです。

食性: 成虫は小型の昆虫を捕食し、幼虫(ヤゴ)は水中でミジンコや小さな水生昆虫を食べます。

繁殖: 繁殖期は春から夏にかけてで、メスは水辺の植物に産卵します。幼虫は水中で成長し、数回の脱皮を経て成虫になります。

イトトンボの特徴

大きさ: 成虫の体長は約30~50mmで、小型のトンボです。

体色: 種類によって異なりますが、一般的には青や緑、赤などの鮮やかな色をしています。オスとメスで体色が異なることもあります。

翅の形状: 前翅と後翅がほぼ同じ形をしており、飛行中も翅を閉じていることが多いです。

名前の由来: その細長い体と翅の形状から「イトトンボ」と呼ばれています。

以上トンボは、ガ、ハエ、アブ、ウンカを捕食する益虫と言えます。日本の自然環境にとって重要な存在であり、その保護が求められています。

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