
お休みの日にバーベキューを楽しむ人も増えています。野外で家族や友人、同僚を交えて野外で行うバーベキューは楽しいものです。バーベキューでは炭専用のコンロを用意して、炭に火を点けて鉄板や網などを用いて、肉や野菜を焼いて食べます。炭火で焼くお肉は味も格別です。使用する炭ですが、3キロ、6キロ単位でホームセンターなどで格安に手に入ります。炭とは、どのような物質でしょうか?バーベキューで使われる炭にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴や用途が異なります。4つの種類を挙げて見ました。
炭の種類と特徴

1. 黒炭(木炭)
一般的に使用される炭で、ホームセンターやアウトドアショップなどで簡単に入手できます。
黒炭の主な材料
広葉樹(ナラ、カシ、クヌギなど)炭の質が硬く、火持ちが良いので良質な木炭になります。
針葉樹(スギ、ヒノキ、マツなど)火つきが良いですが、灰が多く出るため用途が限られます。
木炭の特徴 着火しやすく、価格も比較的安価。
燃焼時間 約1~2時間程度で燃え尽きる。
用途 バーベキュー初心者や、短時間で調理したい場合におすすめ。

2. 白炭(備長炭)
高級な炭として知られ、火力が安定し、長時間燃え続けます。
備長炭の主な材料 ウバメガシ(姥目樫) という木です。これは日本の南西部(特に和歌山県や高知県など)でよく見られる硬くて密度の高い広葉樹です。
備長炭の特徴 火持ちが良く、遠赤外線効果が高いため食材をじっくり焼ける。
燃焼時間 約4~6時間と長時間持続。
用途 じっくり焼きたい場合や、焼肉店で使われることが多い。

3. オガ炭
木材を粉砕して固めた人工炭で、品質が均一で扱いやすい。
おが炭の主な材料 木材加工の際に出る「オガ粉」(おがくず) です。オガ粉を圧縮成形し、高温で炭化することで作られます。一般的に、以下の種類の木材のオガ粉が使用されます。
1スギ・ヒノキなどの針葉樹 → 火つきが良いが、灰の量が多い
2ナラ・カシ・クヌギなどの広葉樹 → 火持ちが良く、強い炭になる
オガ炭の特徴 備長炭に近い火力と燃焼時間を持ちつつ、価格が比較的安価。
燃焼時間 約3~5時間。
用途 飲食店や長時間のバーベキューに最適。

4. 豆炭
小さな円形の固形炭で、着火しやすく長時間燃える。
豆炭の主な材料 石炭 や 無煙炭 などの粉末を結着剤と混ぜて成形したものです。一般的に、以下のような材料が使われます
消石灰 → 燃焼時の有害ガスを抑える
石炭(無煙炭) → 高カロリーで長時間燃焼
コークス → 燃焼効率を高める
木炭粉 → 燃焼の安定性を向上
ベントナイト(粘土) → 成形を助ける結着剤
豆炭の特徴 火力が安定し、使いやすい。
燃焼時間 約5~6時間。
用途 暖房器具にも使われるが、バーベキューにも利用可能。
炭はどのように作られているの?
炭は、木材やその他の有機物を高温で加熱し、酸素を遮断しながら炭化させることで作られます。以下のような工程を経て製造されます。
1. 原材料の準備 | 炭の原料としては、広葉樹や竹などが使われます。樹種によって炭の特性が異なり、例えば広葉樹の炭は火持ちが良く、竹炭は軽量で浄化作用が高いです |
2. 乾燥 | 木材を適切なサイズに切り分け、十分に乾燥させます。乾燥が不十分だと炭化の際にムラができるため、重要な工程です |
3. 炭焼き窯での加熱 | 炭焼き窯に木材を入れ、酸素を制限しながら加熱します。温度は約300~800℃に達し、木材の組織が分解されて炭素が濃縮されます |
4. 炭化 | 炭化の過程では、木材から水分や揮発性成分が抜け、炭素が主成分となります。炭化の方法には、伝統的な炭焼き窯を使う方法や、工業的なスクリュー炉を使う方法などがあります |
5. 冷却と精錬 | 炭化が完了したら、窯の温度を下げて炭を冷却します。白炭を作る場合は、赤熱した炭を取り出して消し粉をかぶせて冷却し、黒炭の場合は窯内で密閉して冷却します |
6. 選別・箱詰め | 炭の品質を確認し、形状や大きさを選別した後、箱詰めして出荷されます。 |
バーベキューで用いる炭の種類と作り方がわかりましたね。バーベキューのスタイルや調理する食材によって、最適な炭を選ぶのがポイントです。長時間楽しみたいなら備長炭やオガ炭を、手軽に楽しみたいなら黒炭や成型炭を使うのが良いでしょう。皆さんはどんなバーベキューを計画しますか?