その姿からキャラクターになったり、ぬいぐるみと人気がある熊ですが、昨今熊の被害が増大しています。人家がある里まで降りてきて、家畜を襲ったり、家屋に侵入したり、人を襲ったり被害が拡大しています。熊はどんな特徴や生態があるのでしょうか?解説します。

最近熊が人里に現れる理由
最近、熊が人里に現れる理由はいくつかあります。主な原因の一つは、食物不足です。特に秋にドングリや果実が不作だった場合、熊は冬眠前に十分な栄養を摂取するために人里に降りてくることがあります
また、熊の生息数の増加も一因です。過去数十年で熊の数が増えたため、食物を求めて人里に出没する熊が増えています。さらに、森林の利用率の低下により、熊の生息域が広がり、人間の生活空間と重なることが多くなっています。
熊が人を襲う理由
最近の熊が人を襲う理由はいくつかあります。主な理由としては以下のようなものがあります。
- 食害 熊が人間を食べ物と認識し、食べるために襲うことがあります。これは非常に稀ですが、特に食糧不足の時期に発生しやすいです。
- 不意の遭遇 山中で熊と人間が突然出会った場合、熊が驚いて攻撃することがあります。
- 母熊の防衛本能 母熊が子熊を守るために人間を攻撃することがあります。子熊に近づかないように注意が必要です。
- 縄張り意識 熊が自分の縄張りや食糧を守るために人間を排除しようとすることがあります。
- 若熊の好奇心 若い熊が好奇心から人間に近づき、じゃれつくつもりで攻撃することがあります。
本州で見られる熊
本州に生息している熊は「ツキノワグマ」(学名:Ursus thibetanus)です。ツキノワグマは、本州、四国、九州の33都道府県に分布していますが、特に東北地方や中部地方に多く見られます。しかし最近では、森林開発や人間活動の影響で生息地が減少し、特に四国や九州では絶滅の危機に瀕している地域もあります。以下に熊の特徴と生態について挙げて見ました。
体長 ツキノワグマは、体長が110~130センチ、体重はオスで約80キロ、メスで約50キロ程度です。
食性 雑食性で、季節によって食べるものが変わります。春には草本類や木本の新芽、夏にはベリー類や昆虫、秋にはブナやナラの堅果を主食とします。また、昆虫や小動物も食べることがあります。
行動 ツキノワグマは基本的に単独で行動しますが、交尾期にはオスとメスが一時的にペアを作ることがあります。冬眠を行い、冬眠中に出産することもあります。
繁殖 交尾期は6月から8月にかけてで、妊娠したメスは冬眠中に出産します。平均産仔数は1.86頭です。
その他の特徴 ツキノワグマは木登りが得意で、樹上で果実を食べることがよくあります。また、胸に三日月型の白斑があることが特徴です。
熊の襲撃を避けるための対策

音を立てる 熊は人間を避けることが多いため、山道や森林で歩く際には声を出して歩くことをおすすめします。特に風向きに注意して、熊に気づかれるようにしましょう。
ベルトを鳴らす ベアベル(熊よけベル)を装着して歩くことで、音を立てて熊に注意を促します。
熊よけスプレー 熊よけスプレーは、熊が接近してきた場合に使用できる防御アイテムです。正しい使い方を学んでおくと良いでしょう。
熊の気配に注意 熊の足跡や糞、引っかき跡などを見つけたら、そのエリアから遠ざかりましょう。

食べ物の匂いを避ける キャンプやハイキングの際、食べ物の匂いを周囲に広めないように気をつけましょう。
これらの対策を守ることで、熊との遭遇を安全に回避できるはずです。
それでも、もし熊に遭遇してしまった場合

冷静に行動する 突然熊に遭遇しても、冷静に行動しましょう。急いで逃げたり、騒いだりしないように注意してください。
後ずさる 熊は攻撃的なことは少ないですが、遭遇時には静かに後づさりましょう。熊に気づかれないようにします。
大きく見せる 腕を広げて大きく見せることで、熊に威嚇される可能性を減らします。
声を出す 熊に注意を促すために声を出しましょう。大きな声で「ヘイ、クマ!」などと言ってみてください。
熊よけスプレーを使用する熊よけスプレーを持っている場合は、正しい使い方で熊に向けて噴射します。
熊が去るのを待つ :熊は通常人間を避ける傾向があります。遭遇した場合、静かに立ち去るのを待ちましょう。
これらの対処法を守ることで、熊との遭遇を安全に乗り越えることができます。
ツキノワグマのはどのような方法で捕獲されますか?
- はこわな(捕獲檻)クマを誘引するために餌を使い、檻に入ったところで捕獲します。この方法は比較的安全で、クマを傷つけずに捕獲できます。
- 銃器による捕獲 緊急時や人身被害の恐れがある場合に使用されます。専門のハンターが行う必要があります。
- 麻酔銃猟 住宅地などでクマを捕獲する際に使用されます。麻酔銃を使ってクマを一時的に眠らせ、安全に捕獲します。
- 捕獲後は、クマを適切な場所に移動させるか、必要に応じて処分することが求められます。また、地域の安全を確保するために、関係機関との連携が重要です。
以上熊の生態と特徴でした。