特別天然記念物とは、日本の文化財保護法に基づいて指定される天然記念物の中でも、特に重要なものを指します。動物、植物、地質・鉱物などの自然物のうち、学術的価値が高く、世界的または国家的に重要なものが特別天然記念物として指定されます。

マリモ
例えば、オオサンショウウオやイリオモテヤマネコ、阿寒湖のマリモなどが特別天然記念物に指定されています。これらは日本固有の種や、保存が必要なものとして認められ、厳重に保護されています。
特別天然記念物の指定は、文化庁の文化財保護委員会によって行われ、指定されたものは現状変更が厳しく制限されます。そのため、学術研究や保護活動のための特別な許可が必要になることもあります。
特別天然記念物の基準
特別天然記念物の指定基準は、学術的価値が高く、日本の自然を象徴するものの中でも、特に世界的または国家的に重要なものに適用されます。
動物 日本固有の動物で著名なもの、その生息地、または保存が必要な動物群。
植物 名木、巨樹、原始林、高山植物帯、特殊な植物群落など。
地質 鉱物、特異な地形や鉱物資源、学術的に貴重な地質構造。
これらの基準に基づき、文化庁の文化財保護委員会が審査し、特別天然記念物として指定されます。指定されると、現状変更が厳しく制限され、保護のための特別な許可が必要になることもあります。
特別天然記念物の保護の目的
特別天然記念物の保護は、日本の生物多様性や自然環境を維持するために非常に重要です。これらの記念物は、学術的価値が高く、日本の自然を象徴するものとして指定されており、保護することで次のようなメリットがあります
生態系の維持 特別天然記念物に指定された動植物や地形は、独自の生態系を形成しており、これらを保護することで生態系のバランスを維持できます。
絶滅危惧種の保護 イリオモテヤマネコやオオサンショウウオなど、特別天然記念物には絶滅の危機に瀕している種が含まれています。これらの種を保護することで、未来の世代にもその存在を伝えることができます。
文化的・歴史的価値の保持 日本の自然環境は、文化や歴史と深く結びついています。特別天然記念物の保護は、日本の伝統や文化を守ることにもつながります。
観光資源としての活用 多くの特別天然記念物は観光地としても知られており、適切に保護することで持続可能な観光を促進できます。
特別天然記念物の保護には、法律や地域の協力が不可欠です。環境省や地方自治体が管理し、保護活動を推進しています。詳しく知りたい場合は、環境省の資料を参考にするとよいでしょう。
特別天然記念物に指定されている具体例
特別天然記念物には、日本の自然を象徴する貴重な動植物や地質・鉱物が含まれています。例えば、以下のようなものがあります。
動物
イリオモテヤマネコ(沖縄県西表島)
オオサンショウウオ(日本各地)

タンチョウ(北海道)
トキ(新潟県佐渡島)
カモシカ(日本各地)
植物

阿寒湖のマリモ(北海道)
屋久島スギ原始林(鹿児島県)
春日山原始林(奈良県)
田島ヶ原サクラソウ自生地(埼玉県)
白馬連山高山植物帯(長野県・新潟県・富山県)
地質・鉱物
昭和新山(北海道)
秋芳洞(山口県)

根尾谷断層(岐阜県)
薬師岳の圏谷群(富山県)
焼走り熔岩流(岩手県)
これらの特別天然記念物は、学術的価値が高く、日本の自然環境を守るために厳重に保護されています