石油と聞くと何を思い浮かべますか？身近なところだと自動車の燃料や暖房器具などを思い浮かべるとおもいます。しかし石油は単なる燃料ではなく、現代社会のあらゆる製品の基盤になっていることはご存知でしょうか？意外と知られていませんが、石油から作られる製品は日常生活において用いられていて、日用品や食品、衣類、医薬品などにも幅広く使われています。以下に代表的な製品をまとめました
工業・日用品
– プラスチック製品（容器、包装材、おもちゃ、家具など）
– 合成繊維（ポリエステル、ナイロン、アクリルなどの衣類やカーテン）
– 合成ゴム（タイヤ、ホース、靴底など）
– 塗料・接着剤（耐水性や耐久性を高めるために石油由来のポリマーが使用されます）
– 洗剤・シャンプー（界面活性剤の原料に石油由来成分が含まれることがあります）
– 歯磨き粉（ポリエチレングリコールなどの石油由来成分が使われることも）
食品関連
– 合成香料（バニラアイスなどに使われる「バニリン」は石油由来）
– 食品添加物（タール色素など、鮮やかな色を出す着色料の一部は石油由来）
– チョコレートのコーティング（パラフィンワックスが使われることがある）
燃料・エネルギー
– ガソリン・軽油・灯油・ジェット燃料
– LPガス（プロパン・ブタン）
– 重油・アスファルト（道路舗装などに使用）
– ナフサ（石油化学製品の原料）
医薬品・化粧品
– ワセリン（保湿剤として使用される石油由来の軟膏）
– 錠剤のコーティング（プラスチック由来の成分で保護）
– 香水・芳香剤（石油由来の合成香料が使われることがある）
石油は単なる燃料ではなく、現代社会のあらゆる製品の基盤になっているんですね。
では私たちの生活に幅広く密着している石油ですが、石油はどの様に出来るのでしょうか？
石油の起源：古代の海のプランクトン
– 太古の海にいた植物性プランクトンが死んで海底に沈む
– 酸素が少ない環境では分解されず、有機物として堆積
– 泥や砂と混ざりながら、堆積層の中に閉じ込められる
地熱と圧力による変化
堆積物が数千メートルの深さまで沈む
地熱（約50〜150℃）と地圧により、プランクトンの死骸が**ケロジェン（油母）**という固形物に変化
ケロジェンがさらに分解されて、**液体の石油（原油）**が生成される
石油が集まる場所＝油田
– 生成された石油は、地層の割れ目を通って上部へ移動
– 地層の隙間にたまり、**背斜構造（ドーム状の地層）**などに閉じ込められる
– こうした場所が「油田」と呼ばれ、採掘の対象になる
補足：石油の種類と精製
– 採掘された石油（原油）は、蒸留塔で加熱・分留されて
– ガソリン、灯油、軽油、重油、ジェット燃料などに加工される
石油は、気の遠くなるような時間と特殊な地質条件が揃って初めて生まれる貴重な資源です
石油の未来
石油は再生可能ではないため、いずれは採り尽くす可能性がある。
消費量が増え続ければ、可採年数は短くなる。
環境への影響から、脱炭素社会への移行が進んでいる。
石油の今後の方向性
再生可能エネルギー（太陽光、風力、水素など）への転換。
石油は燃料よりも化学原料としての価値が高いという考え方も広がっている。
石油は「枯渇する」と言われ続けてきましたが、実際には技術と経済のバランスでその時期が変動しています。