身近にいる特定外来生物

特定外来生物は、日本に持ち込まれた外国由来の生物で、在来種に影響を与えるものを指します。これらの生物は私たちの身近にも存在しています。以下に、身近で見かける特定外来生物の一部を紹介します。

アメリカザリガニ:(学名: Procambarus clarkii)は、ザリガニ下目アメリカザリガニ科に分類されるザリガニの一種です。この種はアメリカ合衆国原産で、世界各地に広がっています。日本では、本来「ザリガニ」といえば北日本に分布する固有種のニホンザリガニ(Cambaroides japonicus)を指していましたが、アメリカザリガニが移入されて定着したため、産地を冠した和名として「ニホンザリガニ」「アメリカザリガニ」と呼び分けられるようになりました。特に西日本では単に「ザリガニ」といえばアメリカザリガニを指します。形態的には体長が大きなもので約12 cm、稀に20 cm近い大きさの個体もいます。体色は赤色か褐色の2色で、頭胸甲の背面は左右の隆起線によって中央部分が閉じて「Y」の字で区切られています。また、特にオスの鋏脚は大きく発達します。アメリカザリガニは食性が雑食で、藻類、水草、落葉、小魚、オタマジャクシ、水生昆虫、動物の死骸などを食べます。さらに、日本ではアメリカザリガニ料理も見られますが、市場価格は海産のエビ類と比較して高価です。アメリカザリガニは水辺の生態系に大きな影響を与えており、2023年6月1日から条件付特定外来生物として規制されています

アカミミガメ:アカミミガメは北アメリカ南部(米国、メキシコ)が原産で、ペットとして世界中に広まりました。以下はアカミミガメの特徴と生態です。

生息地: アカミミガメは池や流れのゆるやかな川などに生息します。日本でもほぼ全国に分布しており、小笠原を除くほぼ日本全土で見られます。

食性: 雑食で、水草や藻、魚類、甲殻類、水生昆虫など、さまざまなものを食べます。

体の特徴: 成体のオスは最大で20cm、メスは28cmに成長します。顔の横に赤いラインがあり、甲には黄色や黒のしま模様が入ることが特徴です。

繁殖力: アカミミガメは多くの卵を産み、一年に何回も産卵します。また、短期間で成体になり、長寿命(約40年)です。アカミミガメは在来種のニホンイシガメと競合し、増加していることが問題となっています。 その繁殖力と適応力から、日本各地で見かけることが多くなっています。

シロツメクサ: (学名: Trifolium repens)は、マメ科シャジクソウ属に属する植物で、日本で非常に一般的に見られるクローバーの一種です。以下に、シロツメクサの特徴を詳しく説明します。

花の特徴:シロツメクサは、10cm以上の花茎を伸ばし、白色で長さ1cm程の蝶形花を30~80個程、密に付けて、直径約3cmの球状の総状花序を作ります。花は一つの花のように見えますが、小さな花が集まってできた集合体で、ふわふわのウサギのしっぽのような可愛らしい形状をしています。

葉の特徴:葉は斑紋が入った3枚の小葉からなる三小葉で、つる性の茎が地面を這うように伸び、花茎の先端に球状に白い小花を咲かせます。通常は3枚の小葉を持ちますが、稀に4枚以上の葉をつけるものもあります。

四葉のクローバーの意味:稀に見つかる四葉のクローバーは幸運の象徴とされています。シロツメクサは、日本中で見かける親しみやすい植物であり、その白い花と特徴的な葉が広く愛されています。

ホテイアオイ: ホテイアオイ(学名: Eichhornia crassipes)は、南アメリカ原産の水草で、水面に浮かんで生育します。

葉の形と浮袋: ホテイアオイは葉柄が膨らんで浮き袋のようになります。この特徴的な形状から「布袋草」とも呼ばれています。

花: 夏から秋にかけて、紫や青色の美しい花を咲かせます。花茎は葉の間から伸び、数個から十数個の花をつけます。

繁殖力: ホテイアオイは非常に繁殖力が強く、水の流れを悪くしたり、水面を覆い尽くすほど増えることがあります。定期的な手入れが必要です。

水質浄化: ホテイアオイは水質浄化に効果があります。また、メダカと一緒に育てることで、水質浄化と産卵場所の両方を提供できます。ホテイアオイは美しい花を持ち、水質浄化の効果もあるため、庭池や水槽で育てて楽しむことができます。ただし、寒さには弱いので冬の管理に注意が必要です。

セアカゴケグモ:セアカゴケグモは日本に生息していない外来種の毒を持った蜘蛛です。1995年に大阪府で初めて発見され、その後各都道府県でも確認されています。セアカゴケグモはメスが有毒の牙を持ち、背中に赤い帯状の模様があります。巣は3次元的な形をしており、上部は粘着性がなく卵を孵化させ、下部は粘着性のある糸で餌を捕まえる構造です。もしセアカゴケグモを見つけた場合は、素手で触らず、家庭用の殺虫剤で駆除するか、自治体に連絡して対処してください。噛まれた場合はすぐに水で洗い流し、医療機関を受診することをお勧めします

オオキンケイギク(大金鶏菊): オオキンケイギク(学名: Coreopsis grandiflora)は、北米原産のキク科ハルシャギク属の多年草です。日本では19世紀末に観賞用兼緑化用の植物として持ち込まれましたが、その並外れた繁殖力から問題視され、環境省から特定外来生物に指定されています。 オオキンケイギクは5〜7月に鮮やかな黄色い頭状花を咲かせ、花径は5〜8cmと比較的大きいため目立ちます 葉は細長いへらのような形状で、のこぎりのようなギザギザはありません。 似た花としてキバナコスモスがありますが、開花時期や花の先端の形状、葉の形状で見分けられます。オオキンケイギクには人体を害する毒性はなく、茹でた葉や花から春菊のようなキク科特有の風味が味わえます。もし庭に自生している場合は、根から引き抜いて枯死させ、各自治体の指定する分別に従って処分しましょう。オオキンケイギクの花言葉は「きらびやか」や「いつも明るく」で、かつては野原に咲き誇る光景を連想させていました

ブラックバスブラックバスは、北米原産の淡水魚で、日本全国の水辺に広く生息しています。湖、川、用水路、ダム湖など様々な環境に適応しています。特に温暖な地域や水草の豊富な場所を好む傾向があります。

見た目と特徴を詳しく説明します:成熟した個体で体長は約40センチ前後です。中には70センチに成長する個体もいます。緑褐色や灰色の体色に、体の側面に特徴的な黒い斑点(ブラックスポット)があります。大きな口は、獲物を捕らえるために適しています。

特定外来生物法に違反した場合は罰則があります

特定外来生物法に違反した場合の罰則は、違反の内容によって異なります。特定外来生物は、野外に放たれて定着してしまった場合、人間の生命・身体、農林水産業、生態系に対して非常に大きな影響を与えることが考えられます。そのため、違反内容によっては非常に重い罰則が科されます。こちらに罰則の例が述べられています。

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