冬の季節に発生しやすい食中毒菌の特徴、予防方法

冬の季節に発生しやすい食中毒菌には、サルモレラ菌、大腸菌、ノロウイルスなどがあります。今回はこの三つの菌について感染経路や、予防方法など解説します。

サルモネラ菌

感染経路

食品経由: サルモネラ菌は主に食べ物や飲み物を介して人に感染します。特に生卵、未調理の鶏肉、未消毒の牛乳などが汚染されやすいです。

動物接触: ペットや農場の動物がサルモネラ菌を持っている場合、それらの動物との接触でも感染することがあります。

サルモレラ菌の感染症状

消化器症状: サルモネラ感染の主な症状には下痢、腹痛、吐き気、嘔吐、発熱などがあります。これらの症状は通常、感染後6〜72時間以内に現れます。

重篤なケース: 特に高齢者や免疫力の低い人々では、重篤な合併症(例:敗血症、脱水症状)が発生することがあります。

サルモレラ菌の予防方法

適切な調理: 食材を十分に加熱し、中心部までしっかりと火を通すことが重要です。

衛生管理: 手洗いや調理器具の消毒を徹底し、交差汚染を防ぐことが必要です。

食品の保存: 冷蔵庫の温度管理を徹底し、生鮮食品を適切に保管します。

治療

軽症の場合: 大部分のケースでは自然に回復しますが、十分な水分補給が必要です。

重症の場合: 抗生物質治療が必要な場合があります。医療機関の指示に従って適切な治療を受けることが重要です。

大腸菌

大腸菌(Escherichia coli、略称E. coli)は、ヒトや動物の腸内に常在する細菌の一種です。ほとんどの大腸菌は無害であり、腸内フローラの一部として消化を助ける役割を果たしています。しかし、一部の大腸菌株は病原性を持ち、感染症を引き起こすことがあります。

存在場所: ヒトや動物の腸内に常在していますが、汚染された水や食物を通じて外界にも存在します。

無害な株: 通常の腸内フローラとして存在し、ビタミンKの生成や病原体の排除を助けます。

病原性株: 一部の株(例:O157:H7)は、食中毒や尿路感染症、腸管出血性大腸菌症などの原因となります。

病原性大腸菌の種類

腸管出血性大腸菌(EHEC): 血便を伴う重篤な腸炎を引き起こします。最も有名なのはO157:H7株です。

腸管病原性大腸菌(EPEC): 小児に多く見られ、下痢を引き起こします。

腸管侵入性大腸菌(EIEC): 腸の粘膜に侵入し、炎症を引き起こします。

腸管毒素原性大腸菌(ETEC): トラベラーズ・ダイアリア(旅行者下痢症)の主な原因菌です。

大腸菌の予防方法

食品の適切な取り扱い: 生肉や生魚を扱う際には交差汚染を防ぎ、食品は十分に加熱します。

手洗いの徹底: 調理前後や食事前にしっかりと手を洗います。

安全な水の使用: 飲料水や調理に使用する水は清潔で安全なものを使用します。

衛生的な生活習慣: 特にトイレの後や動物と接触した後に手洗いを徹底します。

大腸菌の感染症状と治療

症状: 下痢、腹痛、嘔吐、発熱などが一般的です。EHECによる感染では、重篤な場合には腎不全を引き起こすこともあります。

治療: 軽症の場合は水分補給と安静が基本ですが、重篤な場合や長引く場合は医療機関での治療が必要です。

ノロウイルス

ノロウイルスは、主に小児科でよく見られるウイルス性の胃腸炎を引き起こすウイルスです。特に幼児や乳幼児に多く見られます。ノロウイルスは、飲み物や食べ物、または感染者との直接接触によって広がります。

ノロウイルスの感染症状

嘔吐:特に朝に多いことが多いです。

下痢:水っぽい便が特徴です。

腹痛:軽度から中等度の腹痛があります。

発熱:低熱が見られることがあります。

ロウイルスの治療と対策

水分補給:嘔吐や下痢による脱水症状を防ぐために、十分な水分補給が重要です。

休養:体力を回復させるために、しっかりとした休養が必要です。

消毒:手洗いや表面の消毒が感染予防に効果的です。

ノロウイルスは通常、数日から1週間程度で自然に治まりますが、重症化する場合は医師の診察を受けることが重要です。

これらの菌は、低温での保存や冷蔵が不十分な食品によって増殖しやすくなります。

ノロウイルスの予防方法

食中毒菌を防ぐためには、いくつかの基本的な衛生管理と食材の取り扱い方法を守ることが重要です。以下に具体的な方法を挙げます。

食材の取り扱い

手洗い: 調理前、調理中、調理後にしっかりと手を洗います。特に生肉や生魚を扱った後には念入りに洗いましょう。

生と加熱済みの食材の分離: 生肉や生魚を扱う際には、別々のまな板や包丁を使用し、交差汚染を防ぎます。

食品の保存

適切な温度管理: 冷蔵庫や冷凍庫の温度を適切に保ちます。冷蔵庫は4℃以下、冷凍庫は-18℃以下が理想的です。

早めの冷却: 調理済みの食品は室温で長時間放置せず、早めに冷蔵庫に入れます。

調理の際の衛生管理

十分な加熱: 食材を十分に加熱することで、食中毒菌を死滅させます。特に肉類や魚介類は中心部までしっかりと火を通しましょう。

調理器具の清潔: 調理に使用した器具や台所の表面は、適切に洗浄し消毒します。

一般的な予防策

食材の選定: 新鮮な食材を選び、購入時には期限を確認します。

ゴミの管理: ゴミはこまめに捨て、キッチンを清潔に保ちます

対策方法

症状の早期発見:食中毒の初期症状(嘔吐、下痢、腹痛など)が現れたら、早めに医療機関を受診します。

水分補給:嘔吐や下痢による脱水症状を防ぐために、十分な水分を摂取します。

休養:体力が低下するため、しっかりと休息を取ります。

これらの予防と対策を実践することで、冬の季節における食中毒のリスクを減らすことができます。

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