特定外来生物とは何ですか?

特定外来生物とは、もともと日本国内にはいなかった生物(外来生物)であって、生態系、人の身体・生命、農林水産業などに影響を及ぼすおそれがあるものとして特に指定された生物のことを指します。

オオクチバス(ブラックバス)

具体的に、以下のポイントが特定外来生物に関連しています:

外来生物: 人為の影響によって本来の生息地域から、元々は生息していなかった地域に入り込んだ生物を指します。ただし、人為的要因以外によって入り込んだ生物については外来種として扱われません(例えば渡り鳥や海流によって種子が運ばれる植物などは外来種には該当しません)
在来種:元々日本列島に生息していた生物たちで、それぞれの地域生態系の一員です。
意図的導入と非意図的導入外来種が入り込む過程には、意図的にその生物を導入する場合(意図的導入)と、意図せずに侵入を許してしまった場合(非意図的導入)があります。例えば、毛皮の利用のために家畜として輸入されたヌートリアは前者にあたり、船舶の往来の際に船に住みついていたドブネズミが日本に上陸し、定着した例などは後者にあたります。

日本で野外に定着している国外由来の外来種は約2,000種に達しており、哺乳類では28種の国外由来の外来種の定着が確認されています。これらの外来種は、農林水産業への被害や在来種の生息に悪影響を及ぼすことが多くあります。

外来生物法により、特定外来生物の取り扱いには厳しい規制がかかり、輸入、放出、飼養などが制限されています。特定外来生物の管理は、日本の生物多様性保全にとって重要な課題です。

日本で問題とされている特定外来生物の一部です:

アムールハリネズミ東アジアから北東アジアにかけて生息するハリネズミで、夜行性で昆虫や小動物を食べる雑食動物
ヌートリア南アメリカ原産のカワウソで、水辺に生息し、水草や魚、貝類などを食べる
カミツキガメアメリカ原産のカメで、大きな個体もあり、魚や両生類、甲殻類、小動物を捕食する
ウシガエル(アカガエル)北アメリカ原産の大きなカエルで、昆虫や魚、小動物を捕食
オオクチバス(ブラックバス)、コクチバス(スモールマウスバス)北アメリカ原産の魚で日本国内の河川に定着して70センチ以上近くになることもある。魚や貝類、小動物を捕食する
セイヨウオオマルハナバチ(ミツバチ)ヨーロッパ原産のハチで、温和で人が刺されることはほとんどない

これらの外来生物は、日本の生態系や農林水産業に影響を及ぼすことが多くあります。特定外来生物法により、輸入、放出、飼養などが制限されています2。我々は適切な対策を講じて、生物多様性の保全と地球の未来を守ることが求められています。

特定外来生物法に違反した場合の罰則は

特定外来生物法に違反した場合の罰則は、違反の内容によって異なります。特定外来生物は、野外に放たれて定着してしまった場合、人間の生命・身体、農林水産業、生態系に対して非常に大きな影響を与えることが考えられます。そのため、違反内容によっては非常に重い罰則が科されます。以下は一部の罰則の例です

  1. 輸入関係:
    • 許可なく輸入した場合:
      • 個人: 3年以下の懲役または300万円以下の罰金
      • 法人: 1億円以下の罰金
  2. 販売関係:
    • 許可を受けていない者に対して販売や配布をした場合:
      • 個人: 3年以下の懲役または300万円以下の罰金
      • 法人: 1億円以下の罰金
  3. 飼養関係:
    • 許可なく飼養等をした場合(販売・配布目的):
      • 個人: 3年以下の懲役または300万円以下の罰金
      • 法人: 1億円以下の罰金
    • 許可なく飼養等をした場合(愛玩(ペット)等の目的):
      • 個人: 1年以下の懲役または100万円以下の罰金
  4. 偽りや不正をして飼養等の許可を受けた場合:
    • 個人: 3年以下の懲役または300万円以下の罰金
    • 法人: 1億円以下の罰金
  5. 放出関係:
    • 許可なく野外に放ったり・植えたり・まいたりした場合:

これらの罰則は、特定外来生物の持ち込みや放流を防ぐために厳しく規制されています

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