タマムシ(玉虫)は、「森の宝石」とも称されるほど美しい昆虫で、日本の自然界でもひときわ目を引く存在です。特に有名なのはヤマトタマムシで、古来より文化的にも珍重されてきました。


タマムシのお腹
タマムシの特徴と美しさの秘密
金属光沢のある体色 緑を基調に、赤紫の縦じまが背中に走り、光の角度によって色が変化します。これは「構造色」と呼ばれる現象で、色素ではなく微細な構造によって光を反射しているため、死後も色褪せません。
体長 約30〜40mm。細長い米型の体形で、前翅の先端は犬歯のように尖っています。
飛翔性 日差しの強い夏の日中に活発に飛び回り、エノキやケヤキなどの広葉樹林でよく見られます。
タマムシの 生態と分布
分布 本州・四国・九州・沖縄など日本各地に生息。北海道には分布していません。
活動時期 6〜8月がピーク。特に7月後半に多く見られます。
食性 幼虫 枯れ木の内部を食べて成長(3年ほどかけて成虫に) 成虫 エノキやケヤキの葉を食べる。寿命は約1ヶ月。
タマムシの文化的価値
玉虫厨子 奈良・法隆寺の国宝「玉虫厨子」には、タマムシの羽が装飾に使われています。
玉虫色 見る角度によって色が変わることから、「曖昧な表現」の比喩としても使われます。
縁起物 昔はタンスに入れておくと着物が増えるという俗信もありました。
森の宝石とも言われているタマムシ、一度見てみたいですね。